昨日ちょっと残念なニュースを聞いたのでご紹介いたしたいと思います。
その昔もう20年以上前の話に成りますが、私は都内の大学に通っていました。
場所は神保町界隈です。
当時学生時代はそれは育ち盛りのためおなかがすぐに減っていました。
大学には学食がありますが其処は神田神保町、いわゆる安くておいしい飲食店が
たくさんあります。
巷ではカレー天国といわれているように兎に角たくさんの個性的なカレー屋が
ありそれぞれ好みのお店を持っています。
で、今回とても残念なのは「いもや」さんと言う天丼、天ぷら、とんかつを扱う
お店です。
白木のカウンターで、目の前で天ぷらやとんかつを揚げてくれるのですが安くて上手い。
ちゃんと味噌汁つきで650円だったかな。
ご飯大盛りにするとホントにてんこ盛りによそってくれるんです。
学生時代は何度も足を運んで本物の天ぷらって奴をいただいておりました。
あげているのは年配の爺さんで、この道何十年の職人。
プロの天ぷら職人はそこいら辺の板前とは訳が違うと良く言われます。
漫画「おいしんぼ」にもそのことが触れていましたね。
またこだわりがあって、そんな安い天ぷら屋でも、店の親父さんがその時々、季節の旬なものを
措いていて別個に追加で注文して食べることが出来ます。
学生時代は定食ばかり、ちょっとリッチなときは海老天にしてもらいましたが、それでも
安かったのを終えています。
数ヶ月前に再び足を運びましたが値段は100円くらい上がっただけで中は全く同じでした。
ホントに感動しましたよ。
大人になって、旬な素材を追加注文して食べれて、自分も大人になったんだな。と感じました。
そんな思い出の場所が、今月3月いっぱいで閉店になることを耳にしました。
とても残念で成りません。
学生時代の若造が、有る意味天ぷら屋と言う高級店に入って、本物を食べれる環境っていうのは、かなり生意気な事です。
でも、それは人情とか経営者の心意気とか、「腹いっぱい若い奴らに食わせてあげたい。」みたいな、そんなものが伝わってきて、それを学ばせていただいたということにホントに感謝したいです。
入学試験や資格試験、「いもやのとんかつを食べると合格する。」そんな神話もありました。
また近くにあった「まんてん」と言うカレー屋でカレーを食べると満点がとれる。
そんなアホみたいな伝説があったり。
時代の流れとともに古き良きお店がなくなってしまうことはとても残念で成りません。
もうすぐ桜も咲くし千鳥が淵を散策した帰りに最後の天丼なりとんかつなりを食べてきたいと思います。