では続いて簿記2級についてお話させていただきたいと思います。
まず、簿記2級の資格としてのメリットはかなりあります。
3級の説明のところでも少し触れましたが工業簿記の基礎をこの級から勉強するため
製造業の簿記も理解することができるため、一般企業のみならず製造業の経理の求人
に応募することができます。
また、商業簿記に関しても3級よりもレベルアップし株式会社の会計処理をすることに
成りますので、2級保持者は実務経験がなくても求人に応募できる機会があったり、
採用されることも多々あります。
それだけ、2級の資格は認知されており、会社によっては資格手当てが2級から発生する
会社も多いです。
そういう意味で、取っておきたい資格の一つでありサラリーマンのセカンドキャリア
としてかなりおいしい資格の一つだといえます。
ちなみに、こんな私でもスカウト求人でちょくちょく経理の案件をいただいています。
資格欄に日商簿記2級と書けるだけで全然気持ち的に違います。
まず前提として、私が簿記3級を取得したのは5年以上前の話でした。
当時私は小さな会社に居たため3級で十分と考えていましたが、転職しようと転職活動を
してみると3級程度ではホントに小さな会社ばかりしか相手にしてもらえず、最近は殆どの
会社が2級以上を求人の必要条件にされていたため、
あまり資格としての意味がありませんでした。
人によっては「履歴書の資格欄には2級以上しか書いてはいけない。」といわれたことも有ります。
そこで、数年ぶりに簿記の世界にドップリつかることになったのです。
基本的に、日常、会社で経理の仕事をしていると勘定科目や仕分けは覚えてしまうものです。
また、世の中には簿記の資格がなくても仕分けとか完璧にできてしまう実務家の人も多々いらっしゃいます。
基本、簿記の資格は国家試験ではありません。ただの商工会議所の認定試験です。
簿記をするのに資格は必要ありません。
とはいえ、その能力の証明にはなりますのでやはり資格は取っておいたほうがいいのです。
転職先の会社に今までの仕事の能力を証明することはなかなか難しいため、目あすとしての
資格は有効なわけです。
私が最初に受けた試験は11月で、試験を始めようと思ったのは10月、1ヶ月しかなかったためその回はお試し受験と言うことで受けました。はっきり言って初めから無謀な挑戦です。
そもそも、簿記2級の準備期間は最低3ヶ月といわれています。
私はTACさんの無敵の簿記と予想問題を購入し、1ヶ月間それだけやっていました。
予想問題がそのまま出たらラッキー合格を狙ったのです。
が、当然のことながら賭けは失敗に終わりました。
「たしか、得点は50点ぐらいだったと思います。」
終わったときの感想は「真面目にやらないと絶対に受からない。」でした。
更に言うと、商業簿記は比較的3級の知識と実務の経験が活きていた部分があるが、
工業簿記に関しては全くの素人、確実に工業簿記を得点源にしないと合格は無い
と感じたのです。
最近の試験は、試験範囲の大型改正もあり特に2級資格の難易度は乱高下しています。
その回の試験結果は合格率19%、次の試験も同じぐらいになるのではないかと囁かれました。
そこで今回ばかりは先が読めない。試験傾向や対策がつかめない。
かといって次の3ヵ月後の試験には必ず受かりたいし、受からないと新試験範囲が施行され
雪だるま式にどんどん難しくなる。
独学をあきらめて専門学校に通うことにしました。
通った講座は「大原簿記の2級合格フルセット」
テキスト講義・答案練習・公開模試のフルセットです。
基礎講義は2回聞き、答案練習は3回解きました。
はっきり言って、内容的には本試験レベルよりうえのレベルまでやる。そんな内容でした。
しかし、これは結果的には最良の選択でした。
まず、工業簿記の基礎がしっかりできたことです。本を読んでもチンプンカンプンだった所や
曖昧だったところが講師の説明で理解できたこと。
正直、テキストを一人で読んでいたら理解できるまでかなり時間を要したと思います。
またレベルの高い問題を解いていたため、数字の処理と言うよりは、
「常に考える」と言う練習ができたこと。あわてなくなったこと。などがあげられます。
これはかなり重要でした。
そして本試験を受けるわけですが、
試験日私は、本来得点源であったはずの商業簿記で大チョンボを犯してしまったのです。
試験後解答速報を見たときは「やってしまったー。また3ヶ月か。。。」と青ざめたのを
覚えています。
しかし、実際合格発表になり確認してみると合格だったのです。
なんと、商業簿記は半分の30点、苦手でわからなかった工業簿記が40点の満点
合計70点のギリギリ合格でした。
最近の傾向として言うと、商業簿記の難易度は試験範囲の改正により格段に上昇しており、
さらにイヤラシイ問題もちらほら出てきます。たとえば1問目の仕分け問題も素直に5問満点を
取らせないような問題を出してくるのです。
しかし、一方で工業簿記に関しては改正の影響は全くなく、現状のレベルのままと言う
傾向があります。
つまり、試験攻略の鍵は
「工業簿記は攻めて点を取りに行き、商業簿記は守って点を確保する」
というのがセオリーになっています。
まさしく自分は、結果的にそうなったと言うわけなのです。
正直、大原の講義や答案練習は自分にとってかなり難しくキツイ部分がありましたが、逆にここまで負荷をかけていたからこそ、合格できたんだろうと思います。
大失敗しても受かるだけのレベルに引き上げてくれた。
結果的にお金は掛かってしまいましたが
落ちて勉強を続けるという時間的経済的リスク、
合格したことによるメリット等を考えると、いい選択をしたと感じています。
総評としてコメントさせていただくと、2級までなら時間さえあれば独学でも受からない試験ではないと思います。それでも、私が思うに、確実に受かるレベルになるまでは半年から1年は掛かるのではないかと思います。
統計的に見れば合格率は25%前後でしょうから、4回受けて1回受かる計算です。
つまり、真面目にやれば試験は年に3回ありますので確率論から言えば1年弱で受かる。
と言うことになります。
簿記の試験は問題を継続して解くことがとても大事です。
パズルのような部分があるため処理する感覚のようなものが大事になってきます。
また、私はDVDでの受講だったため講義はiphoneに入れて通勤時、
動画再生して何度も判らないところは聞いていました。
こういう部分が、専門学校に通うメリットだと思います。
時に専門学校の受講も視野に入れてみてはいかがでしょうか?
因みに
皆さんは教育訓練給付金制度をご存知ですか?
これは雇用保険に加入している方が、指定された資格講座を取得し、きちんと修了すると
費用の一部が返還される制度があります。(教育訓練施設に支払った教育訓練経費の20%に相当する額、または、その額が10万円を超える場合は10万円が、4千円を超えない場合は無支給)
折角、雇用保険を毎月払っているのならこの制度を利用しない手はないです。
自分が適用になるかならないか調べてみる価値はあると思います。